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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「お待たせしました。」

飲み物が運ばれる。

白とピンクの飲み物がとても綺麗だった。

「メリー…」

「ハルト、違います。
今日はハルトのお誕生日ですから…」

おっ?

「ハッピーバースデー、ハルト…」

こうしてグラスを合わせた。

「ありがとう…ルリ…」

そう言って貰えるだけで嬉しかった。
ハルトの誕生日を一緒に過ごす。
それが望みだったのだから…

料理が運ばれてくる。
オマール海老のスープ
トリュフやキャビアを使ったオードブル…

もう値段のことなど気にせず食事を楽しむことにした。

「でもさ、クリスマスってだけでこれだけ祝うなんて不思議だよね…」

「そうですね…
キリストの降誕を祝う日なのに、何の日だかわからなくなってますね。」

「でも、俺の誕生日と覚えていて祝ってくれたのは、ルリだけだよ。」

ワタシは嬉しさとハルトのことを思い涙を流してしまう。

「ルリ、泣く日じゃないはずだよ?」

ハルトは頬を拭ってくれた。

観覧車のイルミネーションが変わっていくのを眺めながら食事した。
クリスマスディナーらしく七面鳥の料理もでて十分満足した。


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