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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
「こいつ曰く、紫に乗れたらずっとそのカップルは幸せとかなんとか…
回ってる間聞かされました。」

男性はあきれた顔で女性をみて、

「すみませんね。変なやつで…」

会釈して半ば無理矢理女性を引いて離れていった。

「は?」

ハルトが振り向くのでワタシも見た。
暗くてほとんどわからないけど、ボックス本体の色が5台ずつ違う。

確かにワタシ達のだけ1台紫で前後は違う色が5台ずつなのだ。

「何ででしょうね。」

「秒針の0の目印かなんかじゃない?」

「あっ…そうかもしれません。」

イルミネーションの切れ間に、ボックスの支柱部分が一つずつ緑に点灯して1分を知らせる時があるのを見ていた。

もしかしたら、てっぺんにきた時初めに点灯するボックスなのかも知れない。

「後から知るジンクスってのも効果あるんかな?」

ハルトが笑ってワタシの手を引く。

「それより亀効果?キス効果?ルリの気が変わらないうちに部屋に戻るよ。」

そう言ってズンズン歩き始めた。

「ハルト…逃げませんから、もう少しゆっくり歩いて…」

「待てない。」

「へ?」

「嘘、閉園時間になっちゃうから…」


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