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***堕散る(おちる)***
第22章 step22十六段目…初冬
ハルトの後ろから両手を重ねて手つきを教える。

「わかった…やる。」

もう新しいおもちゃをいじりたくて仕方ない子供の様だった。

「これが、液体じゃなくなるの?」

シャバシャバと音を立てて上手に混ぜるハルト。

「そうですよ。不思議ですね。」

ワタシは隣でケーキの型の縁に竹串を通す。
ハルトが興味深そうに両方を交互に見る。

お皿の上に置くと手を休めて型をトントン叩いてきた。

外れて落ちる感触があるのだろうか。

「上手く落ちたよ。」

型を持ち上げてきた。

「おぅ…卵がケーキに化けたな。」

シャバシャバと泡立てに戻りながら喜んでいた。

ケーキの間に包丁を入れる。

「切っちゃったの?」

「間にもクリームとフルーツを入れるんですよ。」

「そうか。ルリ、クリーム少しトロトロになったよ。」

「まだまだ固くなりますから、お休みしないで泡立ててくださいね。」

「わかった。」

フンフン〜シャバシャバが〜
フンフン〜トロトロに〜
フンフン〜トロトロが〜
フンフン〜クリームに〜

ワタシはフルーツを切り始めた。

「ルリ〜、トロントロンになったよ〜」


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