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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第13章 偽装恋愛ー盟主の罠とルークの葛藤
「部屋から出るのは初めて?」
「ええ‥
娼館であの方の手を取って気を失い‥
気が付いたら、あの部屋で寝かされていましたから‥‥」
古い居城はかなり複雑で入り組んだ作り、一見だけなら必ず迷う。
「じゃ絶対に俺から離れないで‥
それともその‥‥手を‥繋いだ方が良いか?」
「・・・・・はい」
小さく頷いたパウリーネの手を躊躇いながら掴んで、自分はパウリーネを連れて居城の中を歩き出す・・
中庭は居城の中階にあり、パウリーネが居た客室からは結構な距離がある‥
女性を長々と歩かせるのもと一瞬迷ったが、自分がどうしてもパウリーネを連れて行きたくなった。
「・・・
この扉の先・・・」
ずっとパウリーネと手を繋いだまま、長く複雑な廊下を歩いた‥
でも、彼女と手を繋ぐのは悪い感じじゃない。
そして中庭への扉を開ける‥
パウリーネにしてみれば、久しぶりの外・・・
「うわぁ――!
凄い‥お花がいっぱい!!」
「手入れはしているから‥
そんなに広い場所じゃ無いが‥落ち着くだろ?」
「凄く・・・」
大した広さでは無いが花壇が沢山あり、色とりどりの花々が植えられ、あまり人が来ないのが不思議な程。
「綺麗‥
あっ‥風が‥‥」