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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第14章 呪縛のパウリーネールークの嘆きー
私らしからぬ珍しい苛立ち‥
それは賢人が刃向かうからなのか、ルークが関わっているからなのか‥‥
喜怒哀楽が無い訳ではないが、怒哀の感情が表に出る事は少ない‥
元々なのか、時間が風化させてしまった感情‥‥
だというのに・・・
(怒りや哀しみは余計な力を呼ぶ、だから極力平穏な感情を保っているというのに‥‥)
チラリと、横で真面目に運転しているルークを見る・・
(あの小さかった子供が、今はもう恋愛を語る大人ですか‥
相変わらず、置いて行かれるのは私の方・・・)
人に‥人間に‥ルークに肩入れした代償‥
今回ばかりは承知の上でルークを側に置いたが、やはり現実は私に取って甘くはない。
「・・??
どうかなさいましたか?」
「いえ・・・
ミュンヘンを過ぎて暫くしてから、一度止まってピアスを付け替えてしまいましょうルーク」
「分かりました‥」
外では変わらず、第6階級騎士のピアスを形式上付けていたが、そろそろこれも必要の無い時期。
高官にまで食い込めば、Cross sels(クロスシールズ)の保護はもう不要‥
本来の盟主のピアスに戻しても、何ら支障は無い。