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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第14章 呪縛のパウリーネールークの嘆きー
ミュンヘン郊外を遥かに過ぎた頃、ルークはピアスの交換と燃料の補給為に一度車を止めた。
「・・・
何時の間に、そこまで車に詳しくなったんです?」
「考えるより慣れろで、潜り込んでから半ば強制的にです‥
軍人が車に戦車に乗れないなんて言えない‥‥」
テキパキと燃料の補給をしているルークを見て、つい笑ってしまう‥
数年前は車を驚き顔で見ていたのに、今やすっかりプロの腕。
「ついでですから飛行機もどうです?
軍用機‥面白そうですが??」
「・・・
急激に上がるのと落ちるのは、勘弁して下さい‥盟主のせいです・・」
「私?
・・・ああ‥ルークを連れて居城の居室から飛び降りた事がありました‥
あれ以来本当に駄目なようで‥‥」
「自分に取れば恐怖体験です‥‥」
飛び降りたのはあれ一度きりで、次からはルークが頑なに拒否‥
あの一度で、相当の恐怖感を付けてしまったよう。
「くすっ‥
まあ‥良いですがね、その内に嫌でも空高く飛ぶ事になりますよ」
ピアスを付け替えながら、少しだけ先の話‥
ルークに分かったかは謎。
「自分は絶対嫌です‥」
「どうですかね?
一番嫌と言っているルークが、一番飛ぶかも知れません‥
世の中は、まだまだ分からない・・・」
「それは星の予言ですか?」
「さあどうでしょう‥‥」