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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第14章 呪縛のパウリーネールークの嘆きー
多少埃を被った事は大目に見て、私とルークは居城中階より下にある客間へと向かう。
「どの客間ですか?」
「こちらです‥」
ずっと後ろを付いて来ていたルークが前を歩き出す‥
パウリーネが使っているという客間を私は知らず、此処はルークに任せるしかない。
「・・・此処です‥」
「また最奥部の方だったとは‥
少し余計な時間を食いました、急ぎますよ」
客間の扉を開ければ、床に座った驚き顔のパウリーネの姿‥
今、何故床になんて考えている暇は無い。
「試してみます‥
ルークは見張りを、部屋に誰も入れないように‥‥」
「畏まりました盟主」
そう簡単に此処には来ないとは思うが、一応ルークを見張りに立たせ、私1人がパウリーネに近付いた。
「あ‥違う‥‥
ご主人様じゃ‥無い‥‥‥」
「ええ、私は違います‥
ですが少し貴女に触れますよ‥‥」
「っ!
いやっっ!!」
「少しの辛抱ですっ!」
嫌がるパウリーネを無理やり捕まえ、首筋へ手を当てた‥‥
(・・・
何処です?
本当のパウリーネは・・・)
人間の精神世界は広い‥
幾ら私の力でも人1人分の精神世界を探るには、それなりの時間を要してしまう。