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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第15章 愛のピンクサファイア
深く眠ったせいか、夢の中を虚ろい彷徨う・・・
またあの黒の空間‥
何も音のしない無の静寂‥‥
ああまたかとは思う、また私は此処に引き込まれた・・
だが・・・
今日は少し様子が違う?
微かだが音が‥聞こえる。
"リ――ン‥‥リ――ン‥‥"
「・・・
この‥‥音は‥‥」
何百年も前に聞いた懐かしい音、そしてもう二度と他からは聞けない音。
だというのに・・
"リ――ン‥‥リ――ン‥‥"
また・・・
この音は天使の音色‥
盟主のピアスが奏でる、最高に綺麗で、人を魅了する音色‥‥
何故聞こえるのか?
それは分からないが、私は無意識に自分のピアスを指で弾いた。
"リ――ン‥‥リ――ン‥‥"
"リ――ン‥‥リ――ン‥‥"
反響する音、それは私の直ぐ近く!
「っっ!?」
咄嗟に辺りを見回す‥誰も居ないと分かっているのに‥
だけど今日は‥違った‥‥
「!?
・・・誰・・・ですか?」
後ろ姿でも女性なのは理解出来る‥
背中の中心くらいまでの、ストレートの銀色の髪、小柄そうだが均整の取れた躰‥‥
彼女は‥‥誰??
彼女は耳に触れる・・
"リ――ン‥‥リ――ン‥‥"
「まさか‥盟主のピアス!?」
何故この女性は、このピアスを!?
だが疑問に答えも、女性が振り返る事も無く‥
私の意識は、また闇に飲まれた・・・