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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第16章 一夜限りの花嫁ー幻の夜会ー
「くすっ・・・」
風は私からのサプライズ‥
花びらが舞う中庭で楽しそうに踊る2人を見て、私の方が少々手助けをしたくなっただけ。
そんな2人を見ながらワイン片手にベンチ座り、幼い純愛を少々楽しんでいたというのに、意外な人物が中庭にやって来て私に声を掛けた。
「・・・
宜しいですな若者というのは‥」
「これは意外な‥
この様な事に興味は無いと思っていましたよ儀式と秩序?」
「老いぼれになると、若いというだけで羨ましいものです盟主」
やって来たのは賢人筆頭の儀式と秩序‥
賢人の責務一辺倒で、こういう事には全く興味を示さないと思っていたが?
「確かに若い‥
私には無いものですがね」
「盟主はまだまだ‥
本当の老いぼれには、盟主もルーク達も若々しく見えます‥
老いぼれにはもう無いもの‥未来という希望ですよ」
「私‥がね‥‥
未来は誰にでもあります、儀式と秩序あなたにも‥」
「・・・
年寄りに愛や恋は無縁、ただ時を待ち朽ちていくのみ・・」
「それは言い過ぎでしょう‥
年を取ったならではの恋や愛もあります、後は見付けるか見付けないかの違い、未来は分かりません」
まさか儀式と秩序とこんな話をする事があろうとは‥
長く生きても、世の中まだまだ分からないものです。