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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第16章 一夜限りの花嫁ー幻の夜会ー
楽しそうに踊るルークとパウリーネの影で、私と儀式と秩序の話は尚も続く・・
「この居城にいる限り、その様な事には縁は無い‥
ルークは奇跡的‥今までの賢人で子を成した者はおりませぬ」
「・・・そうでしたね‥
責務優先で婚姻などは無縁、それを初めて破ったのがあの2人ですから‥‥」
ガルシアが婚姻だけでも驚きだったというのに、立て続けの妊娠発覚。
初め‥賢人の総意は処分だった‥
それを止めたのは私‥‥
賢人同士婚姻して何が悪い?
子を成して何が悪い?
聖職者でもあるまいし、古い慣習など不要‥
当時の私はそう言い切った。
「・・・
今は盟主のお考えで合っていたと思います‥
賢人でも恋や愛はある、ましてやその子供にもあって当然なもの‥‥
ルークを見ていると、老いぼれですらそう思います」
「そう‥それが普通なんですよ‥
生まれや世俗の身分に捕らわれないのがCross sels(クロスシールズ)、だとしたらCross sels内でも捕らわれる必要は無い‥賢人と無階級こんな婚姻もアリだと私は思いますね」
「盟主の仰る通りと‥‥」
「珍しく折れますね儀式と秩序?」
「老いぼれなりの結論と考えて下さいませ盟主」
そう言い残し、儀式と秩序は一度だけルーク達を眩しそうに見た後、中庭から立ち去ってしまった。
儀式と秩序‥いや、賢人達の今回の件での総意なのだろう‥
だから直接私に言いに来た、私はそう捉える。