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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第17章 2人のアドルフ
「・・・
来ましたか・・・」
親衛隊がヒムラーに頼んだ物を運んで来た‥
組み立てるのに少々時間が掛かる、そこで私はひと息入れる事に・・
また壁に寄り掛かり、ポケットに入っていた煙草を1本‥
火を点け一気に吸い込み、ふぅーっと煙を吐き出した。
「・・・・・」
「どうしましたテレーザ、怖くなりましたか?」
「まさか‥
尋問は私の任務、怖い筈がありません」
「今運び込まれたあれを見ても?」
「あれは・・・」
「独国では誰でも知っている話‥鉄の処女‥
本物は厳重管理されていますから、これは木製のレプリカ、アドルフが気紛れに作らせた物です」
話すだけ話して、また煙草を吸う‥
独国の魔女裁判は有名で、その当時にこんな物が作られた。
「鉄の‥‥処女‥‥」
テレーザは組み上がっていく鉄の処女を、ただ見詰めているだけ。
「知らぬ訳はないでしょう独国国民ならば‥
昔‥処女の血は長寿の薬とされ、一部の特権階級が考えた馬鹿な道具の1つ、その後様々な事に使われましたが、どれも方法は単純かつ同一」
「も‥勿論知っています‥‥」
「・・・・・」
道具の説明より、知っているかどうか‥そちらを選ぶとは‥
今は深く問いませんよ、今は・・・