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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第17章 2人のアドルフ



「エルンストですか?」


「今の作業状況は此処までと‥‥」


ルークが持つ資料を貰い、中身を確認‥
エルンストは今、星読みを読み解く事に没頭。


あの約束‥暗示の変わりに星読みの資料を‥
あれから本当に秘蔵とされている資料本を借り、半年と期限を切ってエルンストに渡した。


エルンストは半年の間に資料本を書き写し、今はそれを読み解きながら星読みの解析に力を入れている。



「思ったほど進展しませんね‥
星の位置は良いですが、星の動きの方の解析が遅い‥‥」


「本人の言い分ですと、それだけの星を見れる場所が少なく、比較するのに手間取っている‥こう言っています」


「一理ありですね‥
ベルリンでもミュンヘンでも、本格的な星空は拝めない‥
・・・そう、前に行ったアドルフの別荘、あの場所が一番星が見れたと思います」


居城は論外、そしてこの不安定な情勢の中、一番安全にそして効率的に満天の星空が眺められる場所は、警備厳重なあの別荘。



「ですがあの別荘は‥」


「エヴァの持ち物ですから、アドルフの許可が必要でしょう‥
丁度アドルフの所に行こうと思っていたんです、ついでに許可を貰って来ましょう」


「エルンストを別荘に‥
本部から人員を出しますか?」


「数名居れば十分ですよ?
エルンスト自身は戦闘力が低い、監視だけで事足ります」


「手配します」



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