この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛外伝・自由への扉ー
第20章 テレーザと中央施設
「・・・サッサと行ったか・・・」
あの女は渡す物を渡したら、早々に退散してしまった‥
いや、どことなく焦ってはいなかったか??
本当に私を逃がしCross selsに匿ってくれるのか?
独国でもタブー視されているCross sels、だがあの女はロシアの別の施設だと言った。
だからこそ賭けた、このホロスコープに出ている運命から逃れられる方法を、あの女に賭けては見たが・・
「・・・怪しい限りだ・・・」
あの態度では裏切るのではないか?
これでも心理学は得意な方であり、女の言葉や少しの動きで相手の感情は読める。
(コンラート・ゼクスと名を出した時、あらか様に動揺‥
繋がりがある、そう見た方が良い)
どんな繋がりかまでは分からないが、今のコンラートはナチ党‥‥いや、今は大独国の中将という立場‥
親衛隊であるテレーザと、繋がりがあってもおかしくはない。
「・・・全てが空回りだったのだろうか?」
そう愚痴を零した時、靴音が部屋に響く・・
"コツコツコツコツ・・・"
「まだ私に用か?」
そう言って振り返って見れば・・
「・・・コンラート・・・」
そこに居たのはテレーザでは無く、居る筈の無いコンラート・ゼクスだった・・・