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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第20章 テレーザと中央施設



「・・・サッサと行ったか・・・」


あの女は渡す物を渡したら、早々に退散してしまった‥
いや、どことなく焦ってはいなかったか??


本当に私を逃がしCross selsに匿ってくれるのか?
独国でもタブー視されているCross sels、だがあの女はロシアの別の施設だと言った。


だからこそ賭けた、このホロスコープに出ている運命から逃れられる方法を、あの女に賭けては見たが・・



「・・・怪しい限りだ・・・」


あの態度では裏切るのではないか?
これでも心理学は得意な方であり、女の言葉や少しの動きで相手の感情は読める。



(コンラート・ゼクスと名を出した時、あらか様に動揺‥
繋がりがある、そう見た方が良い)


どんな繋がりかまでは分からないが、今のコンラートはナチ党‥‥いや、今は大独国の中将という立場‥
親衛隊であるテレーザと、繋がりがあってもおかしくはない。



「・・・全てが空回りだったのだろうか?」


そう愚痴を零した時、靴音が部屋に響く・・



"コツコツコツコツ・・・"



「まだ私に用か?」


そう言って振り返って見れば・・



「・・・コンラート・・・」


そこに居たのはテレーザでは無く、居る筈の無いコンラート・ゼクスだった・・・



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