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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第21章 ルークと盟主の契約



一度郊外の拠点に戻り、追い掛ける為の身仕度‥
とはいっても、今回は軍服の方が効果は高い、高官用で少々重いが私の身体能力であれば、この重量でも気にはならない程度。



「・・・そう、もしもの為に持って行きますか」


ナチ党の軍服と装備の他に、私が手に取ったのは、一見装飾と彫りが綺麗な1本の銀の棒のような物。


数少ない私の私物で、ただの飾りに見えるが両端に刃が仕込まれている。


私が盟主を引き継いだ時に受け継いだ物、そして本部遺跡内でロープ姿の時、唯一の所持している武器。


何となくだが持って行く気になった‥
これにはCross sels(クロスシールズ)の紋章が刻まれているので、普段は外に持ち出す事は無いが、今回の顛末には意外と丁度良い物かも知れない。


手に馴染んだ双刃の銀宝剣を腰のベルトに差し固定、これで身仕度は全て整った。



「事前にルークと話し合った経路で良いですかね?
全く私だからと、山ばかり選んで‥」


多少不服はあるが、山間部を走り抜ける方が見付かりにくいのは確か‥
それも独国軍があまり配置されて居ないルートを、ルークは調べて置いて行った。



「やれやれ‥
最近は体力技ばかり、後で普通に戻すのが大変だというのにルークは‥」


本人が居ないからこその愚痴‥
だが愚痴ばかり言っていても始まらないと、私は拠点を出て本格的に走る事になる。



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