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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第21章 ルークと盟主の契約
"トンッ"と、軽い靴の音を立て、私は国境近くの山にある建物へと降り立った。
「やれやれ‥
こういう時は、ナチ党幹部の剣も長くて邪魔ですね」
山の中で引っ掛かるというか‥
途中で手に持ち疾走する羽目になり、漸く落ち着いて剣を腰に差す。
「・・・反応は確実にこの山、この場所に向かってますが、いかせん視界が悪い‥
ああ‥‥戻せば良い事でした」
青色の瞳から、私の本来の赤琥珀の瞳に戻せば、山の下の検問所から空白地帯までハッキリ見える。
そして・・・
「良く此処が分かりましたねルーク?」
「・・・抜けられるとしたら、このルートしかありませんのでゼクス様・・・いえ盟主」
ついでと言えばルークに失礼だが、瞳を戻した事により影に隠れていたルークを発見してしまった、ルークはあまり頓着はしていませんが。
「そうですね、山に面した場所は此処しか無く、後は見渡す限りの平地‥
そして、この険しい山を越える事は出来ないという甘さから警備は手薄、絶好の国境越えのポイントです」
「自分もそう判断しました、そして盟主が此処に現れるだろうと‥
この変電施設を越えなければ、山向こうには行けません」
「読みは当たりですよ、テレーザも今この山を登っている最中‥
欠片の反応が近付いています、とはいえ建物に辿り着くには少々時間はありますが‥」