この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛外伝・自由への扉ー
第22章 現実と悲しき別れ
「失礼します盟主」
「クルス様・・」
「揃ってスッキリした顔をして、私の方は程よく寝不足ですがね?」
「そっそれは!?」
「・・・・・」
机に座り、少し笑いながら言う盟主‥
俺‥‥自分はつい声を上げてしまい、パウリーネの方は真っ赤になって無言のまま。
「まあ今更ですか‥
毎回でしたし、今回は何処に避難しようと頭を抱えていましたよ」
「・・・
聞かない‥‥じゃありませんでしたか盟主?」
「無理して聞く気はありません‥
2人の声の方が大き過ぎるんです、あの響きですと周りも気付いているでしょう‥‥誰も近寄ってませんよね?」
「・・・あっ・・・」
「はぁ―――っ、筒抜けだったとは‥」
自分はそこまでパウリーネを鳴かして来ただろうか?
思わず、こめかみに手を当ててしまうのは仕方が無い。
「それは良いです‥
で、決めましたか?
・・答えを聞かずとも、2人の顔を見れば予想は付きますが」
「盟主、パウリーネが居城を出る事には同意しましたが‥
この戦争で混乱極まりない独国で、パウリーネが落ち着いて住める場所があるとは思いません」
「それに関しては安心なさい、独国とは限らずにパウリーネが最も落ち着いて暮らせる場所を探します‥
少々場所の手配に時間が掛かるとは思いますが、そうですね数ヶ月程度は見て貰います、私も妥協する気はありません」