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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第22章 現実と悲しき別れ
「分かりました、盟主に一任します‥
数ヶ月だったら、多分自分は居城に戻って来れないでしょう」
「私もそう思います‥
パウリーネ、私が貴方を選んだせいで辛い思いばかりをさせました‥
居城を出たら、此処の事は全て忘れ幸せにおやりなさい」
「いいえクルス様‥
クルス様が選んでくれたこそ、私は幸せになれました、ルークさんと一緒に‥
此処を出てからも忘れる気はありません、幸せをいっぱい貰いましたもの」
「そうですか‥
取り方は人それぞれ、パウリーネが幸せと思っているのならば、それで良い‥
私が口を挟める事でもありません」
「はい、クルス様‥
もう少しあります、また紅茶を持って来ますね」
「ああ、パウリーネのお茶タイムも後数ヶ月ですか、私も寂しくなります‥
何も無い居城で、パウリーネとの話は私も楽しかったですよ」
「・・・・・」
盟主は‥
もしかしたら‥‥
それを盟主に問うのは愚かな事、いや今更と言うべきなんだろう。
今はただ・・・
「では自分はミュンヘンに向かいます‥
ゼクス中将の代わりに、居座っているナチ党員の粛正をしなければなりませんから」
「一気に全員ですか?
それもまた一興とも言いますね、ルークの好きにやりなさい」