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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時
初めアドルフの星が弱いと思った事があった‥
私でも最初は気付かず、カリスマの星に被るようにあった、道化師の星の存在。
それが表と影のアドルフの正体、気付いたのはエルンストに接触した時、あまりにもアドルフの星に近過ぎ、アドルフの運命に深く関わっていた為。
双子星とでも言うのだろうか、まず見る事は無い星の配置だが、二重人格のアドルフを見て確信した、こちらが本当のカリスマの星だと。
「後どれくらいで独国は落ちるだろうな・・」
「そこまで時間は掛かりません、落ちる時は一瞬、それは昔も今も変わらない、落日というのは"つるべ落とし"とも言います、早いという意味の違う国の言葉‥
遠からずまた表のアドルフと一緒になりますよ」
「私は本来のアドルフが気に入っていた、鞭撻だが肝心なところで失敗する‥
そんな彼奴を助けるのが楽しかったのだよ、意外か?」
「いいえ‥‥
表裏一体ですからね、そんな感情を持って当たり前、表のアドルフも貴方が好きだったと思います」
「・・・そうか・・・
それが聞ければ、もう思い残す事は無い‥
次に目覚めれば私は消えているだろう、さらばだ盟主ゴールド・クルス」
「貴方も‥
傲慢なアドルフ、星から独国の落日を見ていて、表のアドルフを迎えてあげて下さい」
アドルフはまた星空を見上げ、私はただ静かに私室から立ち去った・・