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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時
「・・・
そうですわね、本来王‥‥カイザーである父は早々に国外に逃亡し、残されたのは私と兄上のみ‥
カイザーの意味なんてもう無い、国民は王家から離れ首相や大統領が実権を持つ世の中‥
そんな独国王家は消えた方が良い、名残的に残っているだけで良い」
「クラウディア!?」
「現実を見ましょうお兄様、王家にはもう民衆を率いる力は無いと‥
お父様が逃亡した時点で、独国王家は終わったのだと‥」
「・・・
クラウディア王女、貴方が男性だったら王家はもう少し生き残ったかも知れません‥
誰よりも聡明で時勢を見る力、今のガイザーである貴方のお父上には無かった」
聡明でも女性という時点で、皇位継承権は格段に落ちてしまう‥
彼女がガイザーだったら、独国はまた違う道を歩んだだろう。
・・勿体ない事・・
「私で宜しいでしょうか?
ゴールド・クルス様??」
「連なる血であれば誰でも構いません」
「・・・では・・・」
クラウディア王女は、もう一度私の前に跪く‥
そして言う誓約破棄の言葉を‥‥
「私、独国王家クラウディア・ホーエンツォレルンの名に於いて、Cross sels盟主ゴールド・クルスとの古からの誓約の破棄を希望します‥
誓約の証たる物は玉座の奥の壁の中に、どうぞお持ち下さいませ」
「Cross sels盟主ゴールド・クルスとして、独国王家との誓約の破棄を受け入れましょう‥
Cross selsの宝を返して頂きます」
彼女を立たせ、私は言われた通り玉座の後ろに回り込んだ。