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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時
「・・・この辺りですかね??」
「はい、私はその様に聞いています」
「分かりました信じましょう貴方を‥‥」
拳に力を込めて、一気に壁に打ち付ける!!
ボコッ!という音を立て、壁に穴が開く‥
確かに壁の向こうは空洞、そして誓約の証たる遺物の欠片がそこにあった。
「確かにCross sels宝は返して頂きました‥
ですが2人を国外に脱出させる手配は整っています、オランダへ‥‥お父上と上手くおやりなさい」
「少々偏屈なお父様ですが‥」
「くすっ‥
それでも離れているより親子一緒の方が良い‥‥違いますか?」
「その通りです‥
適いません貴方には、盟主という存在には‥
昔から助けられていたのは王家の方、Cross selsは王家に何も言う事は無かったと習いました」
「必要が無かったが正解でしょう‥
ただ独国という国に根付く為に誓約を交わした、元々我々はこの地に根付いていましたからね」
遺物の欠片は一旦置いて、私は謁見の間の壁に沿って歩く。
「3つ‥‥4つ‥‥
この場所ですか、少し荒っぽくなるので下がっていて下さい」
「は、はい‥‥」
2人が私から後方に下がったのを確認し、私はまた拳に力を込める‥
今度は渾身の力を!!
「・・はぁぁ――っ!!」
1点集中で拳を壁の中心近くに打ち付けた!
ピシッという亀裂が入り、ガラガラと崩れていく壁。
外に面している壁だから殊更厚いが、昔ルークに教えた方法‥
1点集中狙いをすれば、こんな壁でも、人が余裕を持って出入り出来るだけの穴を開ける事が出来る。