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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時
「見てくれ、漸くエヴァと挙式を上げたのだ‥
囁かだが良い挙式だったぞ?」
「それは‥‥
・・ご結婚おめでとうございます、アドルフ、エヴァ‥
ずっと望んでいましたね」
こんな場所で、この独国を手中に収めた指導者らしくない挙式‥
迫り来る連合軍に、これが精一杯だった、これが本音だとは思う。
「それでコンラート、君に頼みがある‥
何、私の最後の願いだ」
「私に?
何を願うんですか??」
・・・最後・・・
既にアドルフは覚悟を決めている‥
傲慢なアドルフが消えた今、そう選択したのはアドルフ本人の意志。
「挙式を上げたのだ初夜は必要だろう‥
数時間で良い、コンラートの力を借りてエヴァと2人きりになりたい、そう思った」
「その程度のお願いならば、簡単に叶える事は出来ます」
「・・そうか・・
エヴァにも最後の手向けになる、こんな時に狂っていると思うかね?」
「いえ、そうは思っていませんよアドルフ?」
「ははは‥
私は確かに狂っているかも知れんが、世界はもっと狂っている‥
この大地を破壊し尽くすまで、戦争というものは無くならんだろう!」
アドルフが正論‥
彼は決して狂っている訳では無い、狂っている自分を演じ矢面を全て自分に向けさせる。
アドルフなりの責任の取り方、私は嫌いでは無い。