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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時



「私とて種別上は人間です、普通と違いはあるかも知れませんが人間なんですよ‥
アドルフといい、お説教でも聞きに来た気分です」


「お前でも、そんな言い種をするのかゼクス?」


「ですから‥‥
はぁ、いいですよもう」


こうして詰め寄られれば、私の方が諦めるしか無い‥
本当にもう少し早く割り切れていれば、2人の顛末を薄々理解しているだけに‥‥辛い。


ヒムラーとゲッペルスは、言い勝ったと言わんばかりに煙草を吹かし、私にも差し出して来る。



「・・煙草ですか、指摘されて止めていたんですけどね?」


「じゃ、吸わないのか?」


「・・・
吸いますよ、そうでもしなければ間が持ちません‥
この緊張感漂う間を‥」


ヒムラーの方から1本貰い煙草に火を点けた‥
こうして言い合ってはいるが、意識は奥にアドルフの部屋に向いている。


何時、拳銃の発砲音がしてもおかしくはないこの状況で、見た目だけでも平然としていられるのだから、ヒムラーもゲッペルスも相当に心が強い。



「これからどうするんだ?
ゲッペルス、コンラート」


「私は表から消えますよ‥
私の役割は終わりました、暫く真面目に盟主をしてます」


「俺か‥
指導者はああ言ったが時間の問題だろうな‥
逃げる気は無いが、無駄な抵抗もする気は無い」



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