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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第23章 暮れ落ちる黄昏の時



"パ―――――ンッ!"


「「「・・・・・」」」


地下に響く銃声、アドルフは拳銃を選択した‥
一番苦しみを伴うやり方を。


揃ってアドルフの部屋に向かう、一番最初に入ったのは・・・私・・・



「・・アドルフ・・エヴァ・・
それに愛犬までも・・」


家族は全て残さず、それがアドルフの意志のよう。


愛犬はベッドの下で‥


エヴァはベッドで眠るように‥


そしてアドルフはエヴァに覆い被さるように‥


これが指導者アドルフの最後、ギリギリで家族と共にする事を選んだ。



「「・・指導者・・」」


ヒムラーもゲッペルスも言葉を失い、ただ寄り添うように死んでいる2人を見詰めるばかり。



「・・・
案を実行するんでしょう、でしたら証拠は無い方が良い‥
そしてアドルフとエヴァの亡骸を、連合軍に渡す気もありません」


「コンラート?」
「ゼクス??」


「この部屋中心に火を点けます、多分官邸の半分以上は消失するでしょう‥
最後の手向けです‥‥私からの‥‥アドルフ‥‥」


瞳を閉じ両腕を大きく広げ集中すれば、部屋の彼方此方から小さな火の手が上がる、何個も何個も。



「部屋から出て下さい、すぐに火と煙が回りますよ?」


「「・・・・・」」


2人が出たのを確認し、私は風の力を新たに加えた‥
風は火を巻き込み、炎の竜巻のように部屋中を蹂躙する。


2人だと分からなくする為に、敢えて火炎を選んだ‥
後は地下を崩壊させれば良い。



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