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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶
ルークは自由に外を飛び回っているが、私は予想通り籠の鳥‥
久しぶりに無階級の女性でもと、居城から併設施設の方へ行ったが、声を掛ける前に歯止めが掛かってしまった。
「・・・・・」
歯止めの原因は分かっている、アドルフの最後の言葉‥
私は本当にそれをしたいのか?
そう思い出した途端、毎回こうして歯止めが掛かる。
「私の・・・したい事・・・」
それは何なのだろう?
私がしたいから、無階級女性を好きに弄んでいたのではないのか??
では何故踏み切れない?
どうして行動しようとすると、アドルフの言葉が蘇る??
「私でも分からない事があるんですね‥
いや忘れてしまったの方ですか」
何故忘れた?
何時忘れた??
愛情というものを忘れた原因は覚えているが、私のしたい事を忘れた原因は記憶に無い‥
私は何をしたかったのか、違う何になりたかったのか、それが思い出せない。
女性の方は諦め、併設施設から本部遺跡の敷地内に出た‥
久しぶりの外の空気、これはこれで純粋に気持ち良いと思える。
「そう、居城の方に噴水がありました」
正規の道筋では、大きく迂回しなければならないが、私は居城を囲む塀を軽々と飛び越え、目的の噴水があった場所に歩く。
「・・・・・
今はただの溜め池ですか」
来る者も居ない噴水は水が出ておらず、ただ雨水らしき水が溜まっているだけ。