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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶
「これですか?
書庫の向こうに扉がありますよね、その中からです」
「確か古書で読み解くのは大変だと、今の文字と違います」
「ええ、大概はルーン文字です‥
他にも、今は廃れた文明の文字が混じっている物もありますね」
「では自分には無理です」
「覚えておけば便利ですよ?
昔の物はローマ文字かルーン文字が殆ど、バチカンのような特殊な場所では今でも使用しています」
相変わらず盟主の知識は深い、1000年の時の差は簡単には埋まらない‥
廃れた文明だって、盟主は見て来ている筈。
「文字は流石に‥
それで、どんな内容でしょうか?」
「・・・古い街の記録です、独国内ですが数百年前に廃墟となってしまい、今は城の跡くらいは残っているんでしょうか」
「どうでしょうか?
空爆で無差別に空襲された地域だったら、残っていない可能性があります」
「多分違うはと思いますがね私は‥
この書物に書かれている場所は、居城よりもまだ山側にあり、スイスに近いこの一帯は空爆の被害を受けていませんので、朽ちたままでしょう」
「此処より更に高地」
「私が封じられる前は、かなり廃れていましたが、まだ城も少ないながらも街もありました‥
完全に廃墟になってしまったのはその後、この書物はその期間に書かれた、手掛かりがあればと思ったんです‥‥これは前盟主の手記ですから」