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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶
ルークの手には何時の間にか鎖、この車の何処に入れていたのやら‥
縛るのはルークに任せ、私の方は未だ消えない大戦の爪跡に少々ため息。
「戦争というものほど非道徳なものは無い‥
捕虜でも囚人でも生きていれば実験対象、それも実験での生死は問いませんからね‥‥私やルークは散々見て来た筈、今更それに心動く事はありません」
「・・はい・・
確かに自分達は見て来ました、どれだけ非道徳な事が行われていたかを‥」
「・・お前タチ・・軍人・・・ナチ党か?ナチ党か?」
「「・・・・・」」
鎖で雁字搦めにされたハールマンが紡ぐ言葉に、私もルークも沈黙‥
終戦からそろそろ20年近く、迂闊にナチ党の話は出来ない。
私達では、年に食い違いが出てしまうから・・・
「・・そういう貴方は殺人鬼、いえ吸血鬼でしたか?
でしたら‥‥これから起こる事を見ておけば良い、本物の吸血鬼と呼ばれる人種が、如何に残虐で非道だったか、どれだけの人間をその歯牙に掛けたか、自分が人間だと思い出しますよ?」
「オレが・・人間・・」
「・・・盟主??」
ハールマンはともかく、ルークまで不思議顔‥
ハールマンを捕まえるのを優先して、全く説明もしていませんでしたが。