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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶

幻影はまだ死したミアと、倒れた私を映し出しそのまま‥
いや、その後なのか?
私達が倒れている場所に、沢山の眷族達が集まって来た。
『次期様!?』
『次期様!!』
『こんな・・
まさか次期様の身に‥』
口にするのはミアでは無く私の心配ばかり‥
少しはミアの方に目を向ければ良いものを、眷族達は人間だと見向きもしない。
「・・・次期様??」
「昔の私の事ですよ‥
私は一族の中で一番最後に産まれ、産まれた時から遺物は私に反応した‥
稀少種だからと言って誰でも盟主になれる訳では無く、盟主の資格は遺物が反応し遺物が認める事‥‥私は産まれた時から盟主になる事を運命付けられたんです‥
だから眷族達は私の事を"次期様"と呼んでいました」
殆ど話した事が無かった私の出生話‥
私は先代盟主の間に産まれ、直ぐの遺物への洗礼の儀で遺物と同調。
次期盟主として大切にとは聞こえが良い、城での教育と軟禁暮らし‥
少年期の私が人と話すのが苦手だったのは、その殆どを次期盟主として徹底的に教育を受けていて、他と接触が無かった為。
20の賢人40の責務
それを成人になるまでに覚え切った、私の個人感情は全て無視されて。
その束の間の息抜きが、この場所で好きな本を読む事だった‥
私の唯一の自由な時間、それなのに私は‥‥

