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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶

そんな昔の嫌な思い出を少し思い出している内に、幻影の中に1人の女性が現れた。
眷族達は皆少し後ろに下がるが、女性は知らん顔で倒れている私の前まで歩き、その膝を折って私に触れる。
「あの女性は?
全員引きましたが盟主??」
「・・・
先代盟主・・・私の母です・・・
稀少種の最後の希望と呼ばれた女性であり、その通りにパートナーを得て私を産んだ‥‥混血ですがね」
「混血が悪いと??」
「そうは言っていません、ですが母は唯一の純種だったんです‥
まさかパートナーが、血の誓約で稀少種になった人間になるとは、誰1人思っていなかったのは確か、そこに稀少種の希望があったとは知らず‥‥でしょう」
『・・・ラシード・・・』
母が言葉を発したのを聞いて、私はまた幻影に目を向ける‥
幾ら私でも、気を失った後の事は知らない、大地の記憶だからこそ、後の話を初めて見聞きする。
『貴方の自由と見逃していたばかりに、貴方に大きな負担を強いる事になってしまった‥
こんな事になるのだったら、街に行く事を禁じる事無く、地下の宴にも参加させていれば、貴方は彼女を襲う事は無かったというのに‥』
辛そうな母の目‥
見ている私の方も辛い。
『ですが産まれながらに力がお強い次期様を、街に出すのは危険』
『次期様に享楽の宴は、まだ早いかと‥』

