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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第24章 遠い過去-大地の記憶
『・・貴方達がそう言い、この子の行動に制限を付けた為に、この様な悲劇を生んだのではなくて?』
『・・・それは・・・』
『我々は次期様の為と思い‥‥』
言い訳がましい眷族の言葉を聞いても、母は一切意に介していないよう。
『現実を受け止め切れず、意識を失ったラシードを見ましたが‥
今の事でラシードの心の中の"何か"が変わってしまったのを感じます‥
私達稀少種は、天使と悪魔の両性質を持ちますが、今のラシードに天使の性質が僅かしか見えません』
「・・・・・」
『この子は‥‥このままでは天使の見た目の悪魔になってしまう、それだけは避けねばならない‥
ラシード、天使の性質を封じ込めないで、人を慈しみ愛する心を忘れないで、貴方の人生を悪魔で染めないで‥‥』
悲しく涙を流して私を抱き締める母‥
私と同じ金髪の長い髪で、私と同じ赤琥珀の瞳で憂い泣く姿は、盟主では無く1人の母親の姿。
母はすぐに気付いていた、私の心が欠けてしまった事に、だからこその言葉‥‥母親として。
『ラシードの制限を全て無かった事にします‥
少しでも人間に触れさせ、感情を安定させなければ、本当に世界を闇に変える悪魔を生み出す事になってしまうわ‥
誰も‥‥誰1人この子に制限を付ける事は許しません、これは盟主の命です‥‥良いですね?』
『『『はい盟主』』』