この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛外伝・自由への扉ー
第25章 稀少種の闇-享楽-

昔語りで、父は自分は日本では武将だったと語った事がある。
戦う事それが役目だったが、ある時急に違う国に行く使節団に選ばれ、船に乗って出航したが船は難破し、巡り巡ってこの地に辿り着いたと‥
聞いたのは何時の事だったか。
少年の頃か‥
成人過ぎの無為の頃か‥
世界を歩いていた頃か‥
過去過ぎて、何時だったのかすら曖昧‥
この記憶の欠落に、父は関わっているのか、私が調べたいのはこの1点。
「ふふ‥‥
そういえば吸血鬼というのは、棺で眠るんでしたか?
意外にこれが元なのかも、ハノーヴァーの吸血鬼あなたも眠って見ますか?」
「セマイ場所・・
オレを・・オレを閉じ込め、また躰に何かスルのか?
イヤダ・・イヤダ・・!!」
「・・・なっ!?」
私の言葉にハールマンは、ルークでさえ手こずる力で必死に抵抗‥
仮眷族であるルークの力でも、ハールマンを完全に抑え切れないとは。
軍はハールマンに、どんな実験をしたのやら‥
それが実戦投入される前に、大戦が終結したのが幸いだと思いたい。
「・・冗談です・・
仮にも此処は稀少種の神聖な墓地、あなたを入れては歴代盟主に恨まれる事でしょう」
棺の蓋を閉じ、私は立ち上がりハールマンを押さえ込む‥
鎖で少々強く首を締めたという、荒い方法を取ったのは知らん顔。

