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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第25章 稀少種の闇-享楽-



昔語りで、父は自分は日本では武将だったと語った事がある。


戦う事それが役目だったが、ある時急に違う国に行く使節団に選ばれ、船に乗って出航したが船は難破し、巡り巡ってこの地に辿り着いたと‥
聞いたのは何時の事だったか。


少年の頃か‥


成人過ぎの無為の頃か‥


世界を歩いていた頃か‥


過去過ぎて、何時だったのかすら曖昧‥
この記憶の欠落に、父は関わっているのか、私が調べたいのはこの1点。



「ふふ‥‥
そういえば吸血鬼というのは、棺で眠るんでしたか?
意外にこれが元なのかも、ハノーヴァーの吸血鬼あなたも眠って見ますか?」


「セマイ場所・・
オレを・・オレを閉じ込め、また躰に何かスルのか?
イヤダ・・イヤダ・・!!」


「・・・なっ!?」


私の言葉にハールマンは、ルークでさえ手こずる力で必死に抵抗‥
仮眷族であるルークの力でも、ハールマンを完全に抑え切れないとは。


軍はハールマンに、どんな実験をしたのやら‥
それが実戦投入される前に、大戦が終結したのが幸いだと思いたい。



「・・冗談です・・
仮にも此処は稀少種の神聖な墓地、あなたを入れては歴代盟主に恨まれる事でしょう」


棺の蓋を閉じ、私は立ち上がりハールマンを押さえ込む‥
鎖で少々強く首を締めたという、荒い方法を取ったのは知らん顔。



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