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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第26章 稀少種の運命-金銀盟主-
『『『『『盟主』』』』』
『お前達もすまない、ラシードを捕まえる事は気が進まなかった筈』
『いえ、それが我々賢人の責務‥
我々は盟主の命に同意しました、次期様‥‥ラシード様を永遠の盟主とするのは我々の願いでもあります』
倒れている私を見て父は辛い顔をする、まるで自分が捕らわれているように‥‥
『ラシード‥
恨むならば私を恨んで欲しい、こうとしか出来なかった私を‥‥賢人では無く遺物に封印し同調させ、何時終わるか知れぬ永遠の命をと望んだ私と妻を恨めば良い‥
永遠とは辛く苦しいもの、既に600年の時を生きたというのに、私達は更に生きる事を望んだ‥‥それは私達の傲慢でしか無い事も十分に承知している』
触れている父の手が悲しく辛い‥
理解していてもなお私に生きる事を望んだ父と母、私だけを生き延びさせようとしている父の意思。
『せめて心の欠片を取り戻してからこうしたかった‥
封印の力が消えれば、ラシードは冷たい心の盟主になるだろう、賢人達よ覚悟する事だ遺物の力をも得たラシードに賢人と言えども勝つ事は出来ん』
『それは承知済みです盟主、それでも我々は新しき力を持った盟主を望みます‥
20の賢人の命と引き換えに、最後で最高の盟主の出現こそが我々の悲願』