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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第26章 稀少種の運命-金銀盟主-
『ラシードが本当の遺物の主として覚醒するには数百年の時が必要、その間は私が出来るまで盟主をするが必ず盟主が不在の空白の時が出来る』
父は私から手を離し、大広間の上段の奥の奥、城の石壁の1つをズラし中から1冊の古めかしい書物を取り出し賢人へと向ける。
『・・これの発見と妻から伝授された封印の儀式、この2つが合わされば遺物は人間でも制御出来るようになる‥
だからこそ、これらは別々にされていたのだろう、有事でも無ければ稀少種が遺物の制御を人間に預ける事は無く、遺物に直接盟主を封じる事も無い』
『勿論です、封印の儀式は我々20の賢人がラシード様と共にする事で、他に漏れる事はありませぬ‥
死して沈黙を守ると誓いましょう』
『分かっている、同意したからこそ私は妻から教えられた封印の儀式を教えた、この誓約を違えれば後々ラシードの逆鱗に触れよう、そしてこの制御の書物もラシードの目に触れぬ場所が良い』
私が気を失った直後に、私とルークが一番知りたかった話になっていたとは‥
そして伝授では無く書物だったなど、私でも考えの範疇外、全て父と母の計画‥‥それに私は振り回されていた。