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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第26章 稀少種の運命-金銀盟主-
流れる川は数百年経ても代わり無く、大地の加護で畔も綺麗‥‥本当にあの頃のまま。
コロンと寝転がり星空を見上げれば、川の流れの音と共に心が休まる、此処であの惨劇があったと理解していても。
「・・・
願うだけ願われても、私はそれに応える気は無い‥
最低限の責務は果たしても、それ以上する気は無い‥
それでもCross selsは私を‥‥盟主を必要とするんでしょうね、こんな冷たく非情な盟主を崇め立てる」
自分で言っていて、自分の言葉が嫌になる、例えルークが書物を見付けても、籠の鳥には変わらない‥
私と遺物が深く繋がっている限り、私は死ぬ事もCross selsから離れる事も出来ない、それは目覚めた時から理解していた。
白と黒が魅せ私の記憶に介入したものは、周りが思っているほど軽いモノでは無い、世界中の記憶と世界中の自然、世界中の現象‥‥その全てを遺物は私に魅せ、自然を操る力を記憶させ、遺物と同じ事を私にさせる。
それがどれだけ重いか、誰も考えた事は無いだろう‥
だから私は私を捕まえ遺物に封印した賢人を嫌う、私に世界という重荷を付けた賢人が嫌い。
「やれやれ、最近思い出さなかった事まで思い出しましたか‥
こういうのは忘れていたいというのに、余計な事だけは思い出す」
居城で適当に賢人をあしらいながら、面白い星詠みの解析をしているのが、最近は一番心穏やかに過ごせる方法。