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第26章 稀少種の運命-金銀盟主-

『今も泣きそうな顔をしてる‥
泣かないで、私は魂だけの存在だから、どんなラシードでも受け止められるから、だから泣かないでラシード‥
そして私の願いを叶えて、ラシードの心の欠片を癒し解き放って、もう泣かないでお願い‥』


「泣いてなど‥‥‥」


そう言いながら、私はミアをキツく抱き締め、その首筋に顔を埋める‥
ミアの言う通り、私１人だけそんな存在だと思った時に、誰も私を受け入れてくれないと知った時に、ミアの件も含めて私は心を頑なにしてしまった‥‥そう思う。


私自身その自覚無く、悲鳴をあげる心を無理矢理押さえ付け、時が経ちその事すら忘れてしまった‥
それは私自身の防衛本能、その感情が無ければ私は普通にしていられるという自衛手段。


だから‥‥ミアにこう言われて、私は初めて心が悲鳴をあげていると自覚する‥
私が知らず封じてしまった心が、ミアの言葉と行動で少しずつ解けていく。



『・・泣いているわ・・
悲しく辛いって、冷たい盟主という仮面を株って‥‥‥本当はだれよりも心が優しいのに、それを封じてまでラシードはずっと泣いていたの』


「・・・かも知れません・・・
ですがそれを言えるのはミアだけですよ、他は誰も気付きません‥
人の心はなかなかに複雑ですからね」