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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第26章 稀少種の運命-金銀盟主-
『そうね‥‥
私も生きていた頃、ラシードに好きって言えなかったもの‥
ずっと思っていたのに言えなかった言葉‥‥好きで好きで愛し守ってあげたいという言葉‥‥』
「愛し守る‥‥」
『好きという事は、慈しみ愛し守る事ではなくて?
だから私はラシードを守ってあげたくて1000年も待った、ラシードから奪ってしまったものを大切に守りながら、何時か返し解放する為に、私はこの地で待っていたのだもの‥‥この地の繁栄と衰退を見続けながら、なのにラシードったら全然帰って来ないし、帰って来ても此処にも来てくれない、本当にずっと待ったんですからね』
「それは‥‥はぁ、すみません‥
此処に来る勇気が無かったんでしょうね私は、眠りから覚めて‥‥1000年経って漸く此処に来る勇気が出来た‥
勇気というより、感じなくなってしまったから、来る事が出来たのかも知れません」
『でも来てくれた、やっとラシードが私を見てくれる気になった‥
ラシードが思わない限り、私は姿を現す事が出来なかったの、それが金と銀の盟主様との約束‥
ラシードが私を必要としてくれるその時まで、私は1人さ迷う事を条件に一度だけ生きていた頃の姿になれる力をくれた、私には十分な約束だと思わない?』
「‥‥ミアの未練は私のせいなんですね、それも1000年もさ迷わせてしまったなど‥」
『私が望んだのよ、ラシードを守るその時まで‥』