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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第27章 ルークの決断-離別-
「・・・・・」
久しぶりに着る白いローブ、遺物の接触や儀式には必ずこの白いローブ姿‥
それが昔からの決まり事であり、そんな小さな事で一々騒ぐ気も無い。
「唯一の面倒が、この宝飾品ですかね‥‥はぁ‥‥」
正式な物になるので普段用の黒のローブより華美、身に付ける方は面倒で堪らない、思っているだけで口には出さないが。
最後に深いフードを被り、私は居室から遺物の間へと歩き出す‥
途中で私に気付いた賢人共が慌てているが私は一切構わず‥‥今回の目的が責務の為でもCross selsの為でも無い、私自身の為なので賢人は無視する。
「・・・・・」
遺物の間で遺物と相対する‥
賢人や普通の人間が来れるのは此処まで、この先は盟主であり稀少種である私の領域であり、賢人と言えどもこの壁の先がどうなっているかは知り得ない。
「・・遺物よ・・その本当の姿を私に示しなさい・・
稀少種であり盟主である私の意思のままに・・」
力を遺物と同調させれば、遺物は私だけにその道を開く‥
力に反応した壁を通り抜け、私は誰も入れないその先の道を進んでゆく。
「・・・・・・」
勝手に灯る明かりの下、私は古代に掘られたであろう長い階段を下る‥
下へ下へ‥‥普段見ている部分は本当に遺物の入り口に過ぎず、階段を下った先のどれだけ地下に下ったか分からない場所が、遺物本体がある最深部。