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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第27章 ルークの決断-離別-
盟主に言われた通り、盟主の居室の奥のベッドの向こうに、小さいが小部屋を見付けた。
「自分ですら知らなかった・・・」
子供の頃からこの居室に出入りしていたのに、盟主は一切この小部屋の事は教えてくれていない。
他の賢人達が自分を見た目を思い出す、盟主は自分に何も教えていないと少々冷たく見る目を、従者なのに信頼が無いと言わんばかりのあの目。
「自分は‥‥信頼されていなかったのか?」
いや信頼はされているとは思う‥
居城の他の者達にあんな態度はしない、ただ冷たく対応しているだけ‥
だけど自分には‥‥自分だけには真摯に対応してくれる、遺物と同調しているこんな時にでさえ。
(・・・余計な思い・・・)
自分は盟主を信用し付いて行くだけ、それが自分の全てであり、子供の頃からずっとそうして来た。
「・・・それにしても・・・」
この小さな小部屋に物が沢山‥
見た事がある物から、自分でも初めて見る物まで、整然とだがところ狭しと納められている。
「青い透明の小瓶‥‥‥これか?」
沢山ある中で、該当する小瓶はこれ1つしか無い‥
瓶の中は液体、飲ませるより打つ‥‥そんな使い方だろう。
強力な自白剤と盟主は言った、そして使ったなら廃人行きだとも‥
使えるのは一度きり、それも短時間勝負。