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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第27章 ルークの決断-離別-
どれくらい共有したのか‥‥
遺物が持つ記憶、いや記録と言った方が良い、太古から現在そして今起こっている事も全て、遺物は記憶し記録する。
それは1人の人間が持つには過ぎるもの、膨大過ぎ広大過ぎて躰と心が付いていかなくなりそう‥
だから考えた、私と遺物は離れられない運命ならば、必要な時に必要な事を私に見せろと。
『・・・・・・・』
「聞き‥‥分けてくれますね遺物?」
『・・・・・・・』
遺物からは了承の意思表示‥
信じられない事だが、遺物は私の感情を得て、1つの黒き影を作り出した。
見た目的には女性、細くスレンダーだが豊満そうな胸、背の中間くらいまである髪‥
何を手本にしたかは知らないが、遺物は自身の分身としてそれを作り、今は私の膝に寄り添って、私の言葉に直接意思疎通して来る。
「人はそこまで記憶領域は無いんです、過ぎれば精神が崩壊してしまう‥
あなたのような特別な記録方法は出来ない、人の限界ですね」
『・・・・・・・』
複雑のような、悲しいような意思が伝わって来る、遺物は私と全て共有出来ると思っていたのだろうか?
それに私の記憶が抜けていたのは遺物の興味、私の記憶で知らない感情というものを理解して見たかったらしい‥
ずっと興味はあったが、私のように遺物の中にまで入り共有した盟主は居ない。
だからこそ、遺物はこうして私から離れないのだろう。