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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第28章 日本という国ーもう1つの祖国ー

「・・隣・・宜しいですかミスター?」
「ああ、構わないが君は?
初めて見る顔だ」
朝比奈悠真の隣に腰を下ろし、当たり障り無い挨拶はしようと思う‥
先ずは此処から、探りは少しずつ入れれば良い。
「最近入会したもので、この場所には数回しか来ていません‥
失礼‥‥私はコンラート・ゼクスと言います、ミュンヘンを拠点として活動しているしがない起業家です‥‥あなたは?」
「こちらこそ名乗らずすまない‥
俺は朝比奈悠真、日本から技術提携でミュンヘンに来ている」
「日本人?
此処では珍しいです、国交正常したと言っても海外から観光客以外で来るのは少ない」
これは本当の話、日本を含め世界中の国々と国交正常化したが、独国自体が東西に別れたままなので、多少の観光客はあれど移住や長期滞在はまだまだ少ないと言ってもいい話。
「西独国政府との技術提携だから、数年はこっちだとは思う」
「だからこの秘密クラブに?」
「息抜き‥‥かな‥‥
技術提携で仕事ばかり、その息抜きがこれさ、見るだけだったらバチは当たらん」
「バチが当たる‥‥
日本の言葉ですね、確か悪い行いに神罰が下る‥‥という意味でしたか」
「ほう‥‥
日本では神仏の懲らしめが下るって言うんだ、それにしても良く日本語を知っている」

