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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第28章 日本という国ーもう1つの祖国ー

「自由そうに見えるんですか私は?
実際は籠の鳥で何処にも行く事が出来ないというのに、もし自由だったら独国になんか居ませんね、世界中を旅したい‥‥夢ですよ?」
冷めてしまった紅茶を淹れ直し、時間と話で遅くなりそうなので、電話で下の使用人に夕食を頼む。
「そうそう‥‥」
立ったついでと言わんばかりに、私は電話の側に置いてあるメモ紙に走り書きし、それを悠真の前に差し出した。
「・・・番号??」
「このアパートと、私が所有する車に付いている電話番号です‥
連絡が取れないと不便でしょう悠真?」
「それはそうだが、俺の方はどうするか?
山の上の観測所には電話が通じていなく、ミュンヘンの合同事務所の電話にでもしとくしか無いんだが‥」
「その場所でしたら分かりますので必要ありませんし、それこそ観測所は私が直接行けば済む事です」
「まだ外側の形だけ出来上がっただけで、中身は殆ど無いに等しいのに、わざわざ山の上まで上がって来るのか?
そりゃ物好きだぞ??」
「言いましたよ、私は私の目的があり、悠真のやっている事は私の目的に繋がると‥
ですから山の上でも苦にもなりませんね」
「コンラートの目的は何なんだ?
俺はそれが不思議だ」

