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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第28章 日本という国ーもう1つの祖国ー

「これはまた凄いな、しかもノンジャンルでこんな山を作るとは‥‥」
「ですから‥‥はぁ‥‥」
結局のところ、悠真に押し切られ部屋に入られ飽きられる始末‥
私も此処までする気は無かったが、気が付いたらなっていたというか・・
「世界経済からファッションに至るまで、まるで田舎から出て来て都会に馴染む為に必死な上京者‥‥そんな感じだ」
「ある意味近いですよ‥
最近のものはよく分からない、移り変わりが激しいとも言います」
「そりゃ日本も同じなんだよ‥
敗戦の爪痕が抜け、今は高度経済成長で日々何かが変わっていき、追い付くのに一苦労‥
ファッションから生活まで何もかもが近代化って言えば聞こえは良いが、近所他人と付き合う事すらしなくなり‥‥だが日本人らしさは残っているという」
「日本人らしさ??」
私の知っている日本というのは、礼儀を重んじ忠節を重んじる‥
これは父の話なので、かなり古くさい話でもある。
「人に優しいというか、困った人に手を差し伸べたくなるというか‥
独国では見ない、困っている老人が居ようが、倒れている人が居ようが一切無視して素通り‥‥それが出来ないのが日本人なのさ、ついつい声を掛けて手伝おうって気になるんだよな」
「・・・・・」
礼儀を重んじ忠節を重んじる‥
時が経ち形が変わっても、根本的な心は残っているらしい‥‥父が言っていた日本が‥‥

