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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第28章 日本という国ーもう1つの祖国ー

「・・・・・」
多分悠真のこの雰囲気と日本というワード‥
思った以上に冷静に世界を見詰め日本を否定しない悠真に、ずっと日本に行ってみたいという心が反応してしまった。
長く世界を放浪したが私は日本には行っていない、正確には行く事が出来なかったともいう‥
日本の方が世界と関わる事を避けていた為に、日本に入る事すら叶わず隣の中国にまで行ったのみ。
だから漸く世界に目を向けた日本に興味を惹かれ、日本人である悠真が気になった‥
同じプロジェクトであれば、接触するのは独国人でも良かったのに、私は朝比奈悠真を敢えて選んだのだから・・
「・・・
本当に本が崩れない内に食事にしましょう悠真・・・」
「あ、ああ・・・」
半ば無理やり悠真を部屋から追い出し話を切り、食事の準備が整ったリビングへと戻った‥‥私が余計な事を言わない為に打ち切ったとも言うのだろうか?
「豪華だが独国料理じゃない?」
「飽きているかと思いまして‥‥」
「外に出るとビールにウィンナーばかり」
「それはミュンヘン独特ですよ‥
独国料理でも地方地方で少々違いますが基本は同じ、だから別の国の料理を頼みました‥
イタリア料理‥‥嫌いですか?」
「旨そうだな、それは‥‥米?」
「ええパエリアと言います、米に魚介や肉を加え炒め煮る料理」

