この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛外伝・自由への扉ー
第29章 命の重さー盟主の嘆きー

新しい段ボールの他には古い衣装箱らしき物が数個あり、少々の気紛れ気分で箱を開いて見たのだが‥‥
「・・・
これは‥‥軍服?
だがこの紋章は昔の独国軍、いやナチの腕章・・・」
大戦世代と関係無い俺でも知っている、鷹と鈎十字はナチ党の紋章だと‥
良く見れば、仕立ての良い軍服に腕章、それに吊り式の拳銃やサーベルまであり、そのどれもが鈎十字のマーク入り。
日本軍もそうだったらしいが、こういう紋章が入った物は特別製で、高官にしか当たらない物だと親父に聞いた事がある‥
という事は、此処はナチの高官が所有していた屋敷なのか?
「・・・だから使われていない・・・」
理屈は合っているんだが、コンラートがどうやって此処を借りたまでは分からず。
「・・・
何が使われていないんですか悠真?
・・というより理由はそれですか、軍服‥‥まだ残っていたんですね」
「やはり知っている?」
「此処は昔‥‥もう50年近く前に、ナチの高官や親衛隊が使っていた屋敷です‥
ご存知の通り戦後ナチは捕まり、生きて戻って来たのは少ない、ですから此処も当時使われていたままなんですよ」
「だからこんな物がまだ残っていた」
「・・・
今はお宝なんですかね?
それともまだ意味嫌うんでしょうか??」
そう言ってコンラートは、箱の中から1冊の本を取り出した。

