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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第29章 命の重さー盟主の嘆きー

程よく感傷に浸ってはいるが、悠真の方はそろそろ良いかと思う‥
あんな本なんかを振ったのは、女の精神バランスが少し悪いと思ったが為。
見ても聞いても虚ろでは、私としても少々面白く無い‥
だからナチの話と本に悠真の意識を惹き付けて、私の方は久しぶりに"アレ"を使おうと思い主賓室を抜け出して来た。
(確かリビングに置きっ放しだったと‥)
主賓室では都合が悪く手持ち一式をリビングに置いた筈、あの頃の主賓室はルークやアドルフが使ったので、置き場所を変えた。
「・・ありましたが、随分と少ない‥
それだけ使用したという事ですね」
リビングで細く長い箱を開ければ、入っているのは薬草香草の数々‥
かなり使ったので、空になっている部分も多々あり、条件に合いそうな物が少なくなっている。
(昔のように男女共興奮作用を‥‥
いえ、女1人興奮させれば十分)
私には効かないが、あんなのを調合すれば乱行は必須‥
奥様が待っている悠真に、そこまでさせる気は無い‥‥私も変わったものだ、前はこんな事すら思わなかったというのに。
「・・・
昔の冷たい私か、今の複雑の私か‥‥どちらが良いんですかね?
もし貴方が生きていたら、答えをくれたんですかアドルフ‥‥」
あの最後の言葉が、私が変わる気になったきっかけであり、数少ないが廃城に遺物に悠真と少しずつ変わった‥‥躊躇うくらいには。

