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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第29章 命の重さー盟主の嘆きー



今はもう私の目的以外で人間を傷付ける事すらしない、そして餌も必要最低限であり、力を使う事も無く静かに世界を見つづけているのみ。


悠真の事は私に必要な事‥
ルークと共に私は諦めてはいない、この世界を自由に歩きたいという思いを、独国という国から解放される時を‥‥‥



(余計な思いでしたか‥‥)


今は目の前の香草の調合が最優先、残りが少ない香草で失敗する訳もいかず、慎重に必要な分だけを別皿に取り分け調合‥
間に合わせ的だが、女だけに効くように配合した。



「・・・それは??」


「おや?
もう良いんですか悠真??」


真剣に香草配合をやり終えたと思えば、あの本を手に持った悠真がリビングへと入って来て、私が手に持つ香草をしげしげと眺めている。



「本か?
興味深い内容だったが、一部脈絡が分からない文も存在した‥
だが高確率で当たっているんだろう?
未来予知‥‥俺はこの本の事をそう聞いていたんだ」


「初版本ですので‥‥
終日獄中の中に居ながらの執筆、それが正常だと思いますか?
脈絡が分からない部分は‥‥多分当時の本人の精神状況、そう私は考えますがね」


事実は闇の中だが‥‥
ただこれは深夜に私が手を貸し、日中本人が書いた物、そうまだ2人のアドルフが混在している時期で、どちらのアドルフが書いたのかは、私ですら分かりかねる。


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