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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第29章 命の重さー盟主の嘆きー

女が死にたいと言ってからのコンラートの変わりよう、感情を表に出すタイプでは無いと思っていたのに、今のコンラートは間違いなく女に向かって怒りを顕にしている。
(何故そこまで死に拘る?)
今此処で殺してやるのも、女を助ける1つの手だと思うのに、コンラートは死ぬ事は許さないと言った‥
生きていれば可能性があるとも。
俺から見ても限り無く低い可能性だと思えるのに、何故死ぬ事を許さない??
「・・・・・・・」
コツコツと靴音を立てて、コンラートは俺の前を通り過ぎ、懇願する女の前に膝まついた‥‥何をする気なんだ??
「私の目を見なさい」
「‥‥嫌っ!!」
「見るんです!」
顔を背ける女の顎を掴み、コンラートは無理やり女を自分の方に向けさせた‥
そして‥‥表情が替わる、何時もの穏やかな顔のコンラートへと。
「‥‥‥そう‥‥‥
受け入れなさい‥‥そして今はお休み‥‥
目が覚めれば、あなたは何も覚えていません‥‥全て忘れなさい、今まであった事の全てを‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥」
コンラートの言葉に誘われるように、女の瞳は虚ろになり、そしてその瞳を閉じた‥
それを確認したコンラートは、縄を全て解き女の丁寧にベッドの上へと寝かせた。

