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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第29章 命の重さー盟主の嘆きー

(待つのもなあ‥‥‥)
コンラートのプライベートが気にならない訳じゃ無い、だがこれはあまりにも失礼だろ?
娼館に来るという事は女を買うのが目的、それ以外に理由なんぞ考えられん。
(緊縛では満足しなかったとか?
いや途中から様子が変だった、特に女が死なせてと騒ぎ出した後‥
あれは感情的というより怒りや苛立ち‥‥)
何故と聞く前に拒絶された‥
何事も人当たりが良いあのコンラートがだ。
(心の中は何を思っているんだろう‥
‥‥それこそ余計なお世話なんだろうコンラートは‥‥)
人当たりは良いが何処か影がある‥
嘘は付いていないと思うが、俺に話さない事は沢山ある‥
そして間違いなく裏と繋がっている‥
(裏社会の人間が、ああも穏やかな性格なんだろうか?
それともあの性格は作り物??)
考えたって答えなんか出やしない、そんな事は分かっているが、こんな不自然な行動をされれば考えたくもなるだろう?
「っ!
ヤバい!!」
考える方に夢中で、それなりの時間が経過していたよう‥
娼館の扉が開く音に、俺は慌てて物影に身を隠した。
(・・・・・・・)
出て来たのはコンラートと、この娼館の人間か?
入り口で立ち話をしながら、コンラートは1枚の紙を男に手渡している。

