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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第30章 命の重さ2ー盟主の慟哭ー
「違う・・・僕と違う・・・
まだ人間・・・僕とは違う・・・
ラシード・・・クルスは・・・まだ人間なんだ」
「それがあなたの言いたかった事ですかアリアン?
確かにアリアンから見れば、私はまだ人間の範疇なんでしょう、ですがこんな人間が他に居ますか?」
「人間だよ!
普通と違ってもラシード・クルスは人間の内、永久に遺物と共にする僕とは違う、僕は遺物の一部、遺物の中核、遺物そのもの、そんな僕とラシード・クルスは違う!!」
「‥‥‥アリアン‥‥‥」
私に向かい怒るアリアンを、私は椅子から立ち上がりアリアンの目の前で膝付いて、しっかりと小さくなったアリアンを抱き締めた。
「遺物の一部でも、遺物の中核でも、今のアリアンにはこうして感情も意思もあります、普通に人間の姿で私の腕の中に居ます‥
それは人間と変わらない事、私もアリアンも人間と違っても人間をしていたい現れ‥‥私には今の方が普通に見えますよアリアン?」
「‥‥‥僕‥‥‥」
「男の子だったんですね、アリアンロットという名は変でしたか?」
「名前は‥‥好き‥‥
僕は男でも女でも無い、だからこれで良い」
「???
では私もクルスで十分です」
何故私はアリアンの言葉の意味を考えなかったのか?
これは後からつくづく思い知る事になる・・・