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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第30章 命の重さ2ー盟主の慟哭ー

「・・・あれからもう1つき近く」
「何か言ったか朝比奈?」
「・・・いえ・・・」
今日の俺は山では無く、ミュンヘンある事務所の方に出向いている‥
理由的には作業報告‥‥なんだが、此処に来る途中にコンラートのアパートに行って見た。
(車も無く無人‥
もしかしたらと、あのセーフハウスにも行ったが立入禁止の看板‥‥)
あの日以来忽然と姿を消したコンラート、自分にも目的があると言ったくせに、どんどんと出来上がる巨大望遠鏡に関わる事もしないほど完全に姿を消してしまって、俺も連絡が付かない。
「作業は順調、こちらは契約通りに、この進行状況を市とCross sels(クロスシールズ)に渡すだけか‥」
「Cross selsに直接?」
「いや、俺は仲介人に渡すだけ‥
その後に仲介人からCross selsに渡っているらしい」
「その仲介人はコンラート‥‥」
「別人だ‥
殆ど話す事も無く、差し出した報告書を持って行くのが何時ものパターン‥
逆に朝比奈が言うコンラート・ゼクスという人物に会って見たいぞ俺は」
という事は、コンラートは本当に仲介に関わっただけで、このプロジェクトの会社とも市とも関わっていない?
だがCross selsには関わりがある、それはあの日の夜にハッキリと気付いた、しかも内部で立場があるとも。

