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契約的束縛外伝・自由への扉ー
第30章 命の重さ2ー盟主の慟哭ー
久し振りに気が向いたので、ミュンヘンのセーフハウスまでやって来た‥
理由で言えば、あまりにも少なくなってしまった香草類の補充。
此処セーフハウスに置いてあるのはほんの一部であり、居城の保管庫にその殆どが保存されている‥
とはいえ新たな香草が手に入らない今、香草類は減る一方、昔頼んでは見たものの入手に関して言えば中途半端で終わっている。
「・・・逆に今の方が手に入りやすいんですかね?」
リビングのソファーに座り、付いて来なくてもいいピアス付きが彷徨く中、私といえば差し出された紅茶を飲みながら香草が収納してある箱の中身を確認中。
(昔使ったあの香草は、あれが最後になってしまいました)
アドルフの興奮を促す為に用いた、少々キツめの香草‥‥いやあれはもう麻薬に近い物で、かなり特殊な物‥
あれを手に入れたのは何処だったか?
確か‥‥既に廃れた部族の村に行った時に、私が気になり分けて貰った。
香草は部族が廃れた時点で一緒に消えた‥
まだ私が眠らされる前の、世界を放浪していた頃の話‥
アドルフには適当な事を言っていたが、本当は二度と手に入らない事は分かっていた事。
「同じとまではいかなくても、近い香草はありませんかね?」
今は品種改良が盛んな時代、成分が分かっているのだから近い物は出来るかも知れない、技術は更に発展する‥‥止まる事無く。